こんにちは、ババロアです!塾講師・教員歴10年以上。特別支援学級担任から学年主任まで、さまざまなポジションを経験してきました。

・教員に残業手当はあるの?
・給特法ってなに?
・給特法ってなんであるの?
教員の残業代をめぐる裁判の判決が、話題になりました。

この裁判では、
・現在の教員の勤務実態
に焦点を当てられています。
本記事では「給特法」という教員を苦しめる法律について、以下のポイントで解説していきたいと思います。
・給特法という法律が、教員の働き方を苦しめている
・給特法が存在する理由
・給特法は、現在の教員にとってデメリットだらけ
民間経験と学校職員の経験を兼ね揃える私が、教員の残業代に対して切り込んで解説していきますので、ぜひ参考にしてください。
先生を苦しめる「給特法」をわかりやすく解説
結論から言うと、教員に残業代は支払われません。


こんなに仕事しているのに!?


そうなんです!過労死ラインで働いているのに残業代はなし!
残業代とは、
「法定時間を超えて働いた場合に支払われる賃金のことで、通常1.25倍の賃金が支払われる。」
通常の賃金より割増で支払われなければなりません。
しかーし!教員にはその「通常」が通用しません。
なぜかと言うと、そもそも「雇用者は教員の超過勤務分に、残業代を支払う必要がない」からです。
ほとんどの教員は、
・勤務時間より早く出勤
・残業が当たり前
というように、めちゃくちゃ働いています。
過労死ラインギリギリの先生もたくさんいて、家庭崩壊寸前なんてことも…。
»【ブラック公務員】教員の勤務時間を「法律」と「現実」で解説


こんなに働いているのに、なんで残業代が支払われないの?


ここで出てくるのが「給特法」という法律です。
「公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法」という超絶ブラックな法律のせいで、残業代が支払われません。
この法律を略して「給特法」と呼ばれています。
「給特法」とは?
学校の先生を苦しめる給特法。
学校の先生の劣悪な環境を知るには、この法律を理解することがポイントです!
「給特法」とは?
給特法が施行されたのは1972年です、約50年前に施行された働き方に関する法律です。


かなり前にできた法律なんですね。


そうそう。この「かなり前」というのがブラック化のポイント。
働き方や社会が大きく変化してきた中で「給特法」は変化せずに残されてきました。
これが教員のブラック化の要因の一つです。
給特法の中身を、わかりやすくまとめてみました。
・教育職員には、時間外勤務手当及び休日勤務手当は、支給しない
・原則として時間外勤務を命じない
・給料月額の4%の教職調整額を支払う


時間外勤務を命じない!?


いいところに目をつけたね!


文面だけ見るとホワイトな気がするよね。
一見ホワイトに見えるこの法律も、実情とかけ離れているのが現状です。
なぜなら、この法律では「教員は残業がない設定だから」です。
法律ができた50年前から、学校のシステムや社会の状況が変化し、学校が抱える仕事量が激増してきました。
・部活動の過激化
・地域への参画
など、50年前の学校とは大きく異なります。
教員の仕事量が増え続ける中で「残業がない設定」は無理があるのです。
今とマッチしない「給特法」のなぜ
先生の「50年前の働き方」と「今の働き方」は大きく異なります。
この法律を施行するために、1966年に文科省(当時は文部省)が「教員勤務状況調査」を実施しました。


先生の勤務時間を調査したものだね!
この調査では、教員の残業時間は1週間に2時間弱と算出されました!


えええ!!!!!今と全然違う。


1日の残業時間じゃなくて、1週間だからね!


2時間とか1日の残業時間でも少ない方だよ…
このデータをもとに給特法ができたため「先生は残業のほぼない仕事」と法律では解釈されているのです。
ちなみに今の先生の残業時間は1日平均2〜4時間とも言われています。


1週間じゃなくて1日だからね〜。


働きすぎですね。
「給特法」のメリット・デメリット
教員にとって「給特法のメリット・デメリット」を考えてみましょう。
まずはメリットから、
メリットはこれくらいです。


う〜ん。実際には残業だらけだけどね。


法律で決まっているから残業しません!とは中々言えないよね。
法律に記載されているからと言って時間外労働を全て拒否している先生は、ほぼ0に近いでしょう。
次にデメリットを見てみると、
・4%という調整額で、無限のサービス残業をさせられる
・保護者や地域住民はこの法律を知らないため、早く帰ると文句を言われる
・なんならこの法律をよく知らない管理職も多い
少なく見積もっても、こんな感じでしょうか。


なんだか理不尽。


先生にとってはデメリットしかないんです。


法律を盾に残業を断ることもできるけど、職場の人間関係とかを考えると難しいのが現状です。
教員に残業代が出ないのは「給特法」という法律のせい
本記事では「給特法」というブラックな法律を取り上げ、教員の時間外労働の賃金について解説してきました。


現状はあまり良くないけど、今後の働き方改革のきっかけとしてください。


法律を知ることで、考えが深まりました!
給特法があるとはいえ、少しずつですが「教員の働き方改革」が進んできているのも事実です。
これは教師のブラック残業~「定額働かせ放題」を強いる給特法とは?!
まだまだ教員のブラックな働き方は残っていますが、これからの動きに注目していきたいと思います。
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